第34回AMG内視鏡外科フォーラム レポート
特別講演講師 内藤 剛先生
第34回アミーサフォーラムは、2018年8月25日、新宿エルタワーで開催された。とても暑い晩夏の日だったが、腹腔鏡下大腸切除を極めたいという意気込みのある参加者の熱い議論が繰り広げられた。
前半は、右半結腸切除をテーマに3人の先生に発表していただいた。普段の研究会で取り上げられることの多いS状結腸切除ではなく、敢えて技術認定医の課題術式ではない右半結腸切除の発表をお願いした。もちろん、手術に対する基本コンセプトは術式にかかわらず同様であるし、共通した手技で行われるはずである。その中で右半結腸切除特有の展開や手技を共有したいと考えたからだ。上尾中央総合病院の中西先生には直前に行った手術のビデオを出していただいた。北里大学流の上尾方式で自己流も加えながらのオーソドックスな背側アプローチをプレゼンしていただいた。また、髙橋先生にはメディカルトピアで行っている頭側アプローチ先行のはさみうち法ともいうべき、頭側からと背側からの両方からのアプローチをプレゼンしてもらった。さらに、彩の国東大宮病院の小島先生には頭側アプローチでありながら、メディカルトピアの手技とは異なる、理論だったこだわりの手技を披露していただいた。いずれの発表においてもそれぞれの病院に独自の方法が存在し、取り入れるべき手技がたくさんあった。また、講師の内藤先生には最初から参加していただき、様々なアドバイスやコメントをいただき、発表者だけでなく会場の参加者もとても勉強になった。
続いて後半の特別講演は、「腹腔鏡下大腸切除術の技の伝承」というテーマでさらに熱い内容で内藤先生に発表していただいた。まず、技術認定医の評価の詳細を解説していただき、指導力が要求されることが強調された。そして、すべての腹腔鏡下手術に通用するような基本の重要性から、右半結腸切除術の解説もしていただいた。最も興味深かったのは、コーチングの話題であった。コーチングとは双方向のコミュニケーションであり、質問などを通して気づかせる指導であるということであった。これを腹腔鏡下手術の指導へ応用し、術野展開と剥離操作を重視した定型化された手術の指導法、技の伝承を紹介していただいた。我々も手術指導を受けているような錯覚に陥るほどであり、内藤先生の哲学が詰まった熱い講演であっという間に時間が経過した。
フォーラム全体を通して、自らの手術を見つめなおすよい機会となった。様々な手技のなかでさらに自分の手技をブラッシュアップしたいという気持ちに自然となり、とても有意義な会となった。会の成功にあたり、ご協力をいただいた各方面の方々に感謝したい。 ありがとうございました。
当番世話人
谷田 孝(メディカルトピア草加病院)
第34回AMG内視鏡外科フォーラムを開催するにあたり、多くの方々から協力をいただきました。
また、AMG関連病院に施設会員になっていただき、年会費を納めていただきました。
ご理解とご協力ありがとうございました。
心より感謝申し上げます。
【顧問】
- 坂本 嗣郎(彩の国東大宮メディカルセンター)
【代表世話人】
- 金平 永二(メディカルトピア草加病院)
【世話人】
- 朝蔭 直樹(津田沼中央総合病院)
- 石井 正紀(笛吹中央病院)
- 井原 厚(浅草病院)
- 梅本 淳(白岡中央総合病院)
- 榎本 雅之(桜ヶ丘中央病院)
- 河村 裕(津田沼中央総合病院)
- 小島 成浩(彩の国東大宮メディカルセンター)
- 小室 広昭(上尾中央総合病院)
- 諏訪 達志(柏厚生総合病院)
- 谷田 孝(メディカルトピア草加病院)
- 長澤 重直(吉川中央総合病院)
- 西山 徹(笛吹中央病院)
- 峯田 章(千葉愛友会記念病院)
- 本多 正幸(彩の国東大宮メディカルセンター)
- 若林 剛(上尾中央総合病院)
【運営委員】
- 金平 文(メディカルトピア草加病院)
- 佐々木 純一(津田沼中央総合病院)
- 杉木 孝章(吉川中央総合病院)
(以上敬称略、50音順)
お問い合わせ: アミーサ事務局 中島里史 amesa@amg.or.jp